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コラム

阿部寛さんのホームページが「最強」と言われる理由と、爆速プランの話

「なぜあんなに速いのか」「何がすごいのか」「ネタにされているのに、なぜ消えないのか」。俳優・阿部寛さんの公式サイトについて、ホームページを作る側の目で、順番に答えます。

この記事の内容は定期的に見直しています(最終見直し:2026-10-05)

俳優の阿部寛さんの公式ホームページをご存じでしょうか。2000年代初めから、ほとんど同じ作りのまま公開され続けているサイトです(公式サイトはこちら。本物を先に開いてから読むと、話が早いです)。

左に細いメニュー、右に本文。白い背景に青いリンク。写真が1枚と、出演作の一覧。装飾らしい装飾はありません。見た目だけなら「古い」の一言で片づけられそうです。

ところがこのサイトは、何年かに一度、SNSで必ず話題になります。しかも、笑いのネタとしてだけではなく、「日本でいちばん速いホームページ」として、です。

ホームページを作る仕事をしている立場から、よく検索されている3つの疑問に、順番に答えます。

なぜ、あんなに速いのか

理由は単純で、送っているデータが、ほとんど文字だけだからです。

ふつうのホームページは、開いた瞬間に裏でたくさんのものを読み込んでいます。大きな写真、動きをつけるためのプログラム、アクセスを数える仕組み、広告、SNSのボタン。1ページで、文字の何百倍もの量になることも珍しくありません。読み込み中の白い画面や、くるくる回るマークは、それを待っている時間です。

阿部寛さんのサイトには、そのどれも入っていません。文字と、小さな写真が1枚。だから、電波の弱い場所でも、古いスマホでも、速度制限中の回線でも、押した瞬間に全部出ます。

速さの秘密は、特別な技術ではなく、「余計なものを足していない」ことです。

何がすごいのか(速さ以外に)

落ちない

話題になってアクセスが集中しても、表示が遅くなったという話を聞きません。凝った仕組みがないので、壊れるところがないのです。

迷わない

出演情報を知りたい人は「ドラマ出演」を押せば一覧が出ます。それだけです。おしゃれなサイトでよくある「どこを押せばいいか分からない」「スクロールしても本題が出てこない」がありません。

古くならない

流行のデザインは数年で古くなり、作り直しが要ります。このサイトは流行に乗っていないので、古くなりようがありません。20年以上、同じ形で現役です。これは、作る側から見ると、相当すごいことです。

ネタにされているのに、なぜ消えないのか

「阿部寛のホームページ」は、笑いのネタとして広まりました。それなのに、作り直されることなく、同じ姿で残っています。

理由は、役目を果たしているからだと思います。出演情報を知りたい人が、迷わず、一瞬で、知りたいことにたどり着ける。ホームページに求められていることを、全部やっています。見た目が古いという理由だけで、ちゃんと働いているものを作り直す必要は、どこにもありません。

ネタにされるたびに、人が見に来て、「あれ、たしかに速い」「たしかに見やすい」と言って帰っていく。笑われるのではなく、笑われながら、勝っているサイトです。

小さなお店に、何が応用できるか

阿部寛さんのサイトが教えてくれるのは、「ホームページに本当に必要なものは少ない」ということです。

お店を探している人が知りたいのは、何のお店か、どこにあるか、いつ開いているか、いくらか、どう連絡するか。この5つです。写真が数枚あれば十分で、動く演出や、スクロールで現れる仕掛けは、知りたいことの邪魔になることすらあります。

そして、速さは親切です。電波の悪い駅のホームで、信号待ちの数秒で、お店の情報を確かめたい人がいます。一瞬で開くページは、それだけで選ばれる理由になります。

爆速プランは、これを真面目にやったもの

KJ products の爆速プランは、この「余計なものを足さない」作りを、小さなお店向けに真面目にやり直したものです。

内容
見た目 白い背景、青いリンク、左にメニュー。素のHTMLそのまま
ページ トップ、お店について、メニュー・料金、営業時間・地図、お問い合わせの5ページ
速さ 全ページ合わせて写真込みで数十KB。一瞬で開きます
スマホ 画面に合わせて並び替わり、電話番号はタップで発信
料金 初期費用0円、月額1,980円。住所は無料の住所(○○.pages.dev のような形)
公開まで アンケートの回答から最短3営業日

付かないものも、はっきりしています。お店の名前の住所(○○.com)、お問い合わせフォーム、独自メールアドレス、お知らせ欄、デザインの選択。これらは「ちゃんとした見た目のホームページ」が欲しくなったときに、ライトプランへ移れば足ります。

ちなみに「ネタになる」ことも、小さなお店にとっては悪くありません。「うちのホームページ、2000年代式なんです」は、名刺交換のときの、わりといい話題になります。


この記事を書いたのは、横浜でホームページを作っている KJ products です。Instagram と YouTube では、ケイとジェイ(K と J)という二人の、1分の会話劇を毎日出しています。ホームページの話は、ほとんど出てきません。

Instagram @kjproducts_hp / YouTube @KJproducts_hp で、ケイとジェイを見る

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